――「新選組のどこに惹かれますか?」 ファンは、新選組のどこに惹かれるのでしょうか。記述式で回答して頂きました。 まず、どのような単語が多く使われているか数えてみたところ、
1位 25回 「貫(く)」
となりました。これらを総合すると「士道に基づき信念を貫き通しながら夢を追う強さと、それがもたらす悲劇性」といったところでしょうか。…これではよく分かりません。以下、いくつかに分類しながら見ていきたいと思います。2位 19回 「信念」(「信じる道」「信じるもの」含む) 3位 9回 「士道」 4位 6回 「悲」 5位 5回 「強さ」 6位 3回 「夢」
※文字の色は私が勝手にキーワードと思える語を強調しただけで、 もともとのデータには関係ありません。 ※年齢性別の下の「○年」はファン歴です。 1.生き方・信念を貫くこと上記の集計からも、「信念」と「貫く」という語がダントツで多いことが分かります。具体的には次のような声が寄せられました。
新選組の生き様、特にその「まっすぐさ」や「一途さ」にひかれるようです。 一度決めたこと、志したことをやり抜く強さ。そうしたものに共感をおぼえ、また自分もそうありたいと思うのでしょう。 また以下のように、新選組は「やればできる」ということを教えてくれる、励みになる存在でもあるようです。
このほか、新選組の生き方に対する熱い思いがたくさん寄せられました。
2.若者としての共感「彼らも自分と同じ若者であった」という親近感や共感があるようです。そうした近い存在であるからこそ、上記のような生き様にも共感をおぼえ憧れるのかもしれません。
3.ストーリー性・隊士それぞれの生き方・個性新選組のもつストーリー性や、それが単一のものではなく隊士それぞれに生き方、ストーリーがあることなども魅力のひとつであるようです。
中でも特に隊士それぞれの個性やキャラクターの側面に惹かれる人も。
4.仲間仲間同士の関係性、絆の強さもあげられていました。
5.滅びの美学・悲劇性「滅びの美学」も新選組の魅力の大きな要素でしょう。 敗者であることが重要であるようです。そうした悲劇性が、新選組のまっすぐさや頑なさをより一層ひきたて、人々をひきつけているのかもしれません。
6.組織新選組の組織としての魅力もあげられていました。
7.その他理由なんてない、とにかくかっこいいから!という言葉にならない思いがあります。 その他の声もここにあげておきます。
8.まとめと感想ファン一人一人にいろいろな声があり、分類するのがとても難しかったです。と言うか、分類できていません。 感想としては、まずみなさん真面目だ!と思いました。「土方さんが美形だから!」などミーハーな意見も多いかな、と思っていたので(すみません)。私は、もっともっと不真面目です…。 大河ドラマが始まる直前にやっていたNHKの特番に出演していた新選組ファンの人たちも「信念を貫くこと」をとても強調していました。確かコメンテーターとして出演していたラサール石井がその頑ななまでの「貫く」ことへのこだわりに疑問を呈していました。私もそのとき、少し疑問、というか意外、これはどういうことなんだろうな、という思いを抱きました。 「まっすぐさ」を実現できない現代社会というのがあって、だからこそそうしたまっすぐさや愚直さを端的に表している新選組に憧れるんだろうな、とも思います。何だかおもしろくもなんともない分析ですが。「まっすぐさ」へのこだわりは、流動性が増した現代社会に生きる私たちの不安の裏返しなのかもしれません(これもおもしろくないですね)。 昔も、新選組はこれほど「生き方」の側面で消費されていたのでしょうか。昔の新選組と言うと、私はもっとチャンバラや男らしさ、強さなどのイメージが強くて、少女までもが「新選組のように強く生きたい」と思うものだったのかどうか、よく分かりません。その点で、去年の大河ドラマはより「若者の生き方」に訴える描き方だったと思うのです。新選組の消費のされ方は、時代とともに変わってきたのでしょうか。それとも昔から、こうした強い「生き方」志向はあったのでしょうか。司馬遼太郎の影響も強いのかもしれません。 そのほか、グループであるということの魅力(個々の隊士のキャラクターや相互の関係性、それぞれのドラマなど…)、組織それ自体の魅力、「滅びの美学」(今年の大河ドラマ「義経」もまさにそれですね)、などなどあげるときりがありません。とにかく、新選組が好きだー!ということです。好きなことに理由なんてないのかもしれません(これを言ったらおしまいです)。 |